


消防雑学だより
質問1 消防自動車はなぜ赤い?
回答昭和26年に制定された運輸省令「道路運送車両の保安基準」の細目を定める告示で定められているからです。 これによると、「緊急自動車の車体の塗装は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする」となっています。 では、なぜ「朱色」と決めたのでしょう?それは、その当時、外国から輸入した消防自動車が赤かったというのが一般的ですが、「赤」は、注意を引きやすく炎の色を連想させ、警戒心を起こさせることも理由のようです。
質問2 世界でもっとも古い消防隊は?
回答ローマ帝国初代皇帝シーザーの養子であるアウグストゥスが、紀元前17年に結成した消防隊です。(2000年も前に消防隊はあったんですね)当時の消防隊は、7隊からなり1隊500人で構成されていました。各隊の指揮は護民官という役人が行い、総指揮は、執政官(今でいう総理大臣でしょうか)に次ぐ権限を持つ消防総隊長が執っていました。また、消火にはバケツ・はしご・牛の腸から作ったホース、水瓶、斧、ハンマー、のこぎり等の他に、高いところから飛び降りてしまう人の為の大きな枕や水をくみ上げる為のサイフォン等も使っていたようです。
質問3 どうして消防の電話番号は、119なの?
回答昔は、「112」だったんです。 電話が日本に輸入された当時(明治10年が最初、ちなみに電話が発明されたのは、明治9年です)は、「交換手」と呼ばれる人が呼び出しを受けて1回ごとに手で繋いでいました。しかし、火事などの緊急時であっても優先的に繋いでいたわけではなかったので、あまり役には立っていなかったようです。関東大震災(大正14年9月1日)を契機に、大正15年から電話の自動化が進められましたが、その際に、ダイヤルを回す時間が短くてすむようにと「112」が採用されました。 しかし、間違い電話が多かった為、昭和2年から使われていなかった地域番号「9」を使うことにしたので、現在の「119」になったのです。 ちなみに、アメリカでは「911」、イギリスと香港が「999」、ドイツが「112」、フランスが「18」、デンマークとオーストラリアが「000」となっています。
質問4 消防にも“記念日”はあるの?
回答あります。消防に関係する記念日は結構あるんですよ。あなたは、いくつ位知っていますか?
1月17日 「防災とボランティアの日」
災害時における救出は、48時間が勝負といわれています。水・ガス・電気というライフラインの復旧や行政の体制が整うのにおおよそその程度が必要とされている為です。その為、市民による各種ボランティア活動や自主的な防災活動が非常に大きな役割を果たすことになります。この日は、災害に対する備えの充実・強化を図ると共に、災害時のボランティア活動・自主的な防災活動についての認識を深めることを目的に、平成7年1月17日の阪神・淡路大震災を契機に設けられました。
また、1月15日から21日は「防災とボランティア週間」とされました。1月26日 「文化財防火デー」
この時期は、空気が乾燥している為、火事が起きやすくなっています。昭和24年1月26日に奈良の法隆寺金色堂が焼失したことを教訓に設けられました。
3月7日 「消防記念日」
これは、消防組織法という法律が施行された日で、昭和25年に設けられました。「消防組織法」とは、「消防」自身についての役割や組織の在り方などが決められているものです。この日は、「春の全国火災予防運動」最終日でもあります。
6月第2週 「危険物安全週間」
石油等の危険物は、日常生活の中にごく当たり前に存在しており、便利さや豊かさに貢献していますが、ひとたびその取り扱いを誤ると非常に大きな災害となってしまう危険性をはらんでいます。昭和39年7月14日の(株)宝組勝島倉庫爆発火災による大惨禍を教訓に設けられました。 9月1日: 「防災の日」です。この時期は、台風による被害が多くなっています。大正12年に関東大震災が起きており、昭和35年の伊勢湾台風による被害を教訓に地震や台風・豪雨等の自然災害についての認識を深める為に設けられました。
9月9日 「救急の日」
国民の皆さんに救急医療・業務への正しい理解と認識を持ってもらう事と、救急に従事している消防隊員等の意識の高揚を目的に設けられました。 11月9日: 「119番の日」です。救急の日と同様に語呂合わせから生まれた記念日です。国民の皆さんに「消防」を身近に感じて頂くと共に業務への理解を深めてもらい、防火・防災に対する意識の向上を目的に設けられました。この日は、「秋の全国火災予防運動」初日でもあります。
質問5 消防でよく見る紋章にはどんな意味があるの?
回答消防の象徴として消防吏員の制帽の徽章(きしょう)をはじめ、階級章やボタンの中に取り入れられている紋章は、「消防章」というものです。昭和23年(1948年)に消防が警察機構から分離した後も、しばらくは従来の服制のままでいましたが、昭和25年(1950年)に国の「消防吏員服制準則」が定められ、現在の消防章にいたっています。 「消防章」の図案は雪の結晶の拡大図を基礎としており、これに日章を中心に水管、管そう及び筒先から放出する水柱を配置して図案化したものです。雪の結晶は、水、団結及び純潔の意味。水管、管そう及び水柱は、消防の究極の目的である火災にとどめを刺す武器であって、消防の任務を完遂する機械と水をあらわし、水管部分の5等分は、制定当時の署の数を表しています。日章は、消防のあり方をあらわす。すなわち日輪は火であるとともに万物を保護し、育成する太陽であるところから消防もその対象は火であり、また市民の太陽であることを意味します。
参考資料
- 「消防雑学辞典」
東京消防庁指導広報部広報課 編集
東京連合防火協会 発行 - 「新 消防雑学辞典」 東京消防庁広報課 監修
東京連合防火協会 編集・発行 - 「消防なんでも119話」 大阪市消防局 企画・監修
消防なんでも119話編集委員会 編集
大阪市消防振興協会 発行 - 「消防・防災ハンドブック」 消防防災制度研究会 編著
東京法令出版株式会社 発行
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